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『莉緒と古い鏡の魔法』香坂理 -読書日記

タイトル 莉緒と古い鏡の魔法
著者   香坂理
イラスト 結布

 

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〈あらすじ〉
もうすぐ6年生になる内気な莉緒。
春休みに引っ越した古い洋館で、アンティークの鏡の精「廉」と出会ったことで、次々と不思議な事件が起こります。
友だちと協力して事件を解決するうちに、自分らしさを見つけ成長していく物語です。
ーアマゾンより引用

 

〈ひとこと〉
図書館で見つけました。
小学生の女の子が魔法の鏡を見つけて、弱気な自分を少しずつ直していくお話。
魔法の鏡には端正な顔立ちの青年(大学生くらい?)が閉じ込められていて、主人公の女の子が鏡に話しかけることで、淡い光を纏った状態で女の子の前に現れます。
青年は頰をなでる張る風のように優しくて、青年と触れ合ううちに、ちょっとずつ自信を取り戻す主人公。
僕は思ったことはすぐに口に出してしまうたちなので、主人公みたいに「思ったことを相手に伝えられない人」の気持ちが正直言ってあまりわかりません。
この本を読んでいて気づいたことは、世の中には「自分の思ったことを正直に伝えられる人」と「自分の気持ちをうまく伝えられない人」がいて、前者が「皆がなりたいと思う理想の人物」で、後者が「皆が忌避する影の薄い人物」と思われていること。
でも、思ったことはすぐに口に出してしまう僕からすると、「自分の思ったことをうまく伝えられない人」ははたして劣っているのでしょうか。
そうではないと思います。
僕は余計なことを言って、相手のことを怒らせてしまうことが多々あります。
だから僕の目からは、自分の気持ちをうまく伝えられない人というのは、「周囲に気を配り時と場をわきまえて言うべき言葉を吟味している人」というように写ります。
だから、思ったことを上手に相手に伝えられなくても、自分のことを無駄に卑下する必要なんてないと思うんですよね。
弱気な自分に悩んでいた主人公の女の子には悪いけど。
「言うべき時を知る者は、黙するべき時を知る」という有名なことわざがあります。
この物語を読んでいて、なんかそのことわざがふっと頭の中によぎった今日この頃。