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『人生の法則 -「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』 岡田斗司夫 -読書日記

タイトル
『人生の法則 -「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』
著者  岡田斗司夫

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〈内容〉
人間には四つのタイプが存在する
タイプ1 : 司令型
勝つことが至上命題な人々。
タイプ2 : 理想型
結果よりもプロセスを重視する人々。
タイプ 3: 注目型
円滑な人間関係を重視する人々。
タイプ4 : 法則型
感情に動かされない論理的な人々。

 

人は人を分かり合えない。
でもその事実さえ知っていれば、人間関係は上手くいく。
それが著者の考え。

 

人の思考パターンを四つのタイプに分類して解説。
自分や他人の「したいこと」がわかるから、人間関係がスムーズになり、人生の目的が見つけやすくなる。

 

〈ひとこと〉
この本によると僕は"理想型"に分類されるらしい。
自分の中になにがあっても譲れられない確たる軸があって、それ以外のやり方をなかなか認められない頑固な人。
最近読んだ『スターバックス再生物語』を書いた、米国スターバックス元CEOのハワード・シェルシュはわかりやすい理想型の人だなあと思う。

 

こんな逸話がある。
シェルシュがとあるスターバックスの店舗に訪れた時のこと。
店舗の入り口付近にテディベアが並んでいるのをシェルシュは見つけた。
テディベアは首を傾けつぶらな瞳でシェルシュを見つめてくる。
愛くるしいがこの場にふさわしくない。
ここはコーヒーを飲む場である。
テディベアを販売する場ではないのだ。
シェルシュは店舗責任者に話を聞くことに決めた。
「調子はどうかね?」
「絶好調ですよ。これをみてください」
そう言って店舗責任者は入り口付近にあるテディベアたちを悠々と指差す。
「彼らを店舗で売るようになってから、店舗の売り上げが急激に伸びたんですよ。今ではこのエリアの中ではトップの売り上げを誇っています」
シェルシュはそれを聞いて愕然とした。
店を去り帰路に着くシェルシュは、目先の利益のために歩むべき道を逸脱してしまったスターバックスを、正しい方向へ導かなければと決心した。
たとえ売り上げ下がろうとも、古き良きスターバックスを取り戻さなければ。
シェルシュは急いで執務室に戻り、道に迷ったスターバックスを正しい方向へ導くための資料を作り始めた。

 

この逸話を読んだ時、もうシェルシュの考えに全面的に賛成だった。
売り上げよりも"スターバックスらしさ"を重視するシェルシュに、人の上に立つ人はそうでなくてはと尊敬の念を抱いたほどである。
「弟子にしてください!」と叫びたくなった(笑)
そして売り上げが上がるからと言って店舗にテディベアを置いた店舗責任者の考えがまったくわからないんですよね。
たぶん店舗責任者の彼は、この本でいう"司令型"の人間なんだと思う。
彼ら司令型の人間は"人に勝つ"ことが絶対。
勝つためならなんでもするのが司令型の思考回路。
売り上げを上げるため、エリア内で一番の業績を上げるためなら、彼らはなんだってする。
たとえ"スターバックスらしさ"を失ってまでも。
だから店舗責任者の目からシェルシュは、「売り上げを向上させる絶好のチャンスを、しょうもない意地でふいにするろくでもないヤツ」というふうに写ったと思う。

 

人の考えを理解しようとする時よく「もし彼が自分だったら」と僕たちは考えがちだ。
でもこの本を読んだ後、この考えはいまいち当てにならない方法なのではないかと思う。
他人が自分と同じような思考回路を持っているなら、その方法は有効だと思う。
でも現実は違うよね。
自分と同じように考える人って思った以上に少ない。
「人は自分と同じように考える」と人は思うから衝突が起こるのだと思う。
「人それぞれが自分とは違う考えをもっている」と思った方が、お互いを尊重し合える関係になれるのではないか。
でも、それが難しいんだよね。
人は「他の人も自分と同じように考えるだろう」と勝手に思い込んじゃう生物だから。
はあ〜、お互いを理解するって大変だ!