『エチュード春一番 - 子犬のプレリュード』荻原規子-読書日記
著者 荻原規子
「わしは八百万の神だ」
家に迷い込んできた小犬がしゃべった!
この春、一人と一匹(一柱?)の新生活が誰ともなしにスタート!
〈あらすじ〉
大学受験合格を機に自宅で一人暮らしをすることになった美綾は、とある春の日、家に一匹の小型犬(パピヨン)を拾う。
毛並みがよく人なつっこい小犬に、近所で飼い主を探してみるが見つからない。
仕方なく自宅で世話をしていると、突然「わしは八百万の神だ」とのたまう子犬。
犬がしゃべった?
それとも幻聴だろうか?
信じられない美綾に、小犬は自分は日本古来の神で人間になるために転生してきたと語る。
大学では小学校で一緒だった有吉智佳や澤谷光秋と再会するが、バイク事故で死んだかつての同級生の思い出話から幽霊絡みの不穏な事件が起きて……。
一人と一匹(一柱?)の新生活をコミカルに描く一冊。
ーアマゾンより引用&加筆
〈ひとこと〉
「あ、気になる本見つけた!」と思ってその本を調べてみたら、その本が上中下の下巻で読むのにちょっと躊躇してしまった、という経験はあるだろうか。
ずいぶん前に、この『エチュード春一番』をTwitterで見かけた。
この物語のあらすじを調べてみると、ヒロインの女子大生が自分のことを神様だと主張する喋る子犬を拾い、神様の力によって鎌倉時代・平家物語の世界へ迷い込んでしまうというもの。
僕はこの手のストーリーに弱い。
ヒロインが見知らぬ世界に迷い込み、身に降りかかる困難や不条理に立ち向かってゆくというような、成長物語が特に好きな物語のシチュエーションだからだ。
しかしずっと気になっていた『エチュード春一番』だが、僕はここ半年くらいこの物語を読むことを戸惑っていた。
なぜならTwitterで見かけた、ヒロインが平安時代にタイムスリップする『エチュード春一番』は、1〜3巻あるうちの3巻だったからだ。
しかも平安時代にタイムスリップするのは3冊あるシリーズのうち最終巻である3巻だけ。
僕の心境としてはこの物語の3巻だけがめっちゃ読みたい。
でも3巻を読むにはこのシリーズの1巻と2巻を読まなきゃいけない。
うず高く積まれた積読本が日々その数を増やしている状況の僕としては、あまり興味のない1巻2巻をちゃんと読むことは、はっきり言って少々めんどくさい。
半年間迷った末、結局『エチュード春一番』を1巻から律儀に読むことにした。
(この期間にどれだけの気になる本が、溜まりに溜まった積読本の仲間入りをしたことか!)
あなたならこういう場合、どうしますか?
僕の場合、「やっぱり読みたい!」という簡潔明瞭な自分の読書欲に屈しました。
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