『魔獣医とわたし』 三角くるみ-読書日記
タイトル『魔獣医とわたし』
著者 三角くるみ
〈あらすじ〉
貧しい生活を送っていた少女が悪魔に拾われ、
幸せに暮らすお話
〈ひとこと〉
悪魔って聞くと人をおとしめる、冷酷無慈悲な悪の権化みたいな存在。
僕もそう思っていたけれど、どうやら僕の認識は間違っていたらしい。
主人公の女の子を拾ったこの悪魔、実はめっちゃ優しい。
少女が寝る前にホットココアを用意してくれたり、寒くない?といって少女に上着を肩にかけてくれたりと、思いやりの心をもった優しい悪魔なのです。
そして、すごい寂しがりや。
貧しい人間の女の子を拾った理由も、ただ寂しかったから。
彼はとても純粋で無垢な悪魔さんなのです。
悪魔って悪者のイメージがあります。
でも悪者だけど、悪になりきれない悪って、僕はけっこう好きだな。
不器用だけど真剣に生きている感じがなんだかしっくり来る。
もしかしたら人間よりもこの悪魔優しい心の持ち主なのでは?と懐疑的になってしまうほど、人の心を離してやまない優しい悪魔さんが登場する物語でした。
〈グループ〉
〈楽天ブックス〉
『日本SFの臨界点 - 恋愛篇』 伴名練-読書日記
タイトル『日本SFの臨界点 - 恋愛篇』
編者 伴名練
〈内容〉
『なめらかな世界と、その敵』の著者・伴名練が、全力のSF愛を捧げて編んだ傑作アンソロジー。
恋人の手紙を通して異星人の思考体系に迫った中井紀夫の表題作をはじめ、現在手に入りにくい、短篇集未収録作を中心とした恋愛・家族愛テーマの9本を厳選。
それぞれの作品への解説と、これからSFを読みたい読者への完全入門ガイドを併録。
ーアマゾンより引用
〈収録〉
中井紀夫 『死んだ恋人からの手紙』
藤田雅矢 『奇跡の石』
和田毅 『生まれくる者、死にゆく者』
大樹連司 『劇画・セカイ系』
高野史緒 『G線上のアリア』
扇智史 『アトランタの奏でる音楽』
小田雅久仁 『人生、信号待ち』
円城塔 『ムーンシャイン』
新城カズマ 『月を買った御婦人』
〈ひとこと〉
短編『死んだ恋人からの手紙』が読みたくて、再読。
最近、SF小説が読みたい気分。
気になるSF小説はいっぱいある。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』、『華氏451度』、『紙の動物園』、『霧に橋を架ける』、『夏の扉』。
でも、としまえんのハリポタに行く前に『ハリーポッター』を読み返したいし。
あーもう、読みたい本がいっぱいありすぎる!
〈グループ〉
『コサインなんて人生に関係ないと思った人のための数学のはなし』 タテノカズヒロ-読書日記
タイトル
『コサインなんて人生に関係ないと思った人のための数学のはなし』
著者
タテノカズヒロ
〈ひとこと〉
数学って面白いな。
そう思うような一冊だった。
まだ数学の世界でも解明されていない命題があるみたい。
たとえば素数。
素数がどのような法則性で数列上に現れるのか、それはまだどんなに発達した現代のスーパーコンピューターを使ってもわからない。
素数が数列上でどのタイミングで現れるのか、推測することはできず、素数は数学者を嘲笑うかのごとく気まぐれにポツンと数列上に現れるのです。
あと、面白かったのは素数の名前の由来。
なんで素数は"素数"と呼ばれているのか知っていますか。
それは"どんな数も素数を使ってあらわすことができるから"
たとえば301は7×43で表せます。
(7も43も素数)
あ、あと、シーザー暗号の話も面白かったな。
僕のスマホのパスワードは誕生日の日付の数字に全て数字に1を足した数をパスワードにして使っているのだけど(たとえば3月21日が誕生日だったら、0321の全ての数字に1をたして、1432がパスワード)、その知らず知らずのうちに使っていたパスワードがシーザー暗号の作り方と同じでびっくりしました。
シーザー暗号は伝えたい数字やアルファベットと規則性にもとづいてずらして、相手に伝える暗号文。
ちなみにジュリアスシーザーが初めに使い始めたから"シーザー暗号"と名前がついたらしいです。
インターネットで使われる暗号化システムもシーザー暗号を使っているそう。
まあこの場合、インターネットなので、ひとつふたつ文字をずらすんじゃなくて、複雑怪奇な手順を踏んで暗号化しているみたいですよ。
あなたがAmazonに登録した銀行口座のパスワードも、きっとこうして暗号化されていることでしょう。
たぶんね。
久しぶりに黄色チャート(高校時代の数学の教科書)を開いてみたくなった今日この頃。
〈グループ〉
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『私たちが星座を盗んだ理由 』 北山猛邦-読書日記
タイトル『私たちが星座を盗んだ理由 』
著者 北山猛邦
〈内容〉
夜空から"首飾り座"が消えた少年少女の恋物語を描く表題作『私たちが星座を盗んだ理由』を含む、5篇の短編集。
〈ひとこと〉
少しチクリとする物語だった。
北山猛邦『人魚姫 探偵グリムの手稿』を以前読んだことがある。
(グリム童話『人魚姫』を題材にしたミステリ)
この短編集に収録されている物語は、以前読んだ物語とは打って変わって、どれもこれもちょっとした毒を含んでいる。
猟奇的というのかな、それとも狂気的というのか、
人間の心にすくう押せば血が滲むような嗜虐的な感情、人の不幸に安心する冷酷で渇いた加虐的な衝動。
そういう人の心の暗い部分が見え隠れする物語だった。
やっぱり人間にとって1番怖いのはニンゲンだよねみたいな、そんなニュアンスをこの短編集からひしひしと感じた。
湖の水に猛毒をポツンとたらしたような、バラのトゲに指をはわせ血がつうと流れるような、そんな苦しくて冷ややかで、それでいて共感できて、現実を知った大人の諦めに似た、退廃感の残る物語でした。
〈グループ〉
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タイトル『ハリーポッターとアズカバンの囚人』 J・K・ローリング-読書日記
タイトル『ハリーポッターとアズカバンの囚人』
著者 J・K・ローリング
〈ひとこと〉
シリーズ3作品目のアズカバンの囚人は、ハリーポッターシリーズの中で僕が好きな物語だ。
車にテレビが付いていて、運転中にDVDが見れた。
父が命に関わるような重い病気で半年以上病院に入院していたから、母は父の身の回りのお世話をするために毎日、車で父の元を訪れた。
僕も学校のない週末は、母と一緒に車で一緒に病院へ向かった。
その車の中でハリーポッターのアズカバンの囚人を見た。
僕は一度気に入ってしまうと、飽きるまで繰り返し同じことを繰り返すタチで、父のお見舞いに行く度に車でアズカバンの囚人をみていた。
来る日も来る日も、毎日毎日、飽きもせず。
通算100回は映画をリピートしたと思う。
だって、セリフをほとんど覚えちゃうくらいだからね。
そんぐらい思い入れのある作品。
〈グループ〉
『ハリーポッターと秘密の部屋』-読書日記
タイトル『ハリーポッターと秘密の部屋』
作者 J・K・ローリング
〈ひとこと〉
やっぱりハリーポッターは面白い。
一気読みしてしまった。
子供の頃に読むハリーポッターと、大人になって読む今のハリーポッターは、やっぱり受け取り方が全然違うなあ。
楽しみ方というのかな、それがやっぱり違う。
子供の頃はハリーポッターの独創的な世界観にのめり込むように引き込まれた。
キングスクロス駅の9と4分の3番線から始まり、空飛ぶ車、魔法回のスポーツクディッチ、泣き叫ぶマンドレイク、森の番人ハグリット、親愛なるロン・ウィズリー。
この物語の色んなものが心を掴んではなさなかった。
でも今日、ハリーポッターと秘密の部屋を読んで1番心に残ったことは、なんと本の1番最後に書いてあった作者の"あとがき"だった。
彼女は全く無名の作家だった。
いや、作家ですらなく生活保護を受ける子連れの専業主婦で、ひとつ特徴を挙げるとすれば、
子供時代から物語を書くことが好きで、カフェやバーでメモや短い文書を書きなぐる習慣があるということか。
ハリーポッターは彼女がたった1杯のコーヒーでカフェに居座り、子供が寝静まっている合間を縫って書き上げた物語だという。
とても信じられない。
ウェキペディアではロンドンへ戻る列車の中で、
たった4時間の間にハリーポッターの構想のほとんどを練り上げたという。
そのときペンもノートもなかったので、家に帰った後、頭に浮かんだ他に類を見ない素晴らしいストーリーを、慌てて買った安物の紙とペンで書き殴ったという。
そして今、時間とお金を気にせず自由に物語を書けることが幸せだと笑う。
作者のバックグラウンドを知ると、物語がもっと面白くなる。
それを知った今日この頃。
〈グループ〉
読書感想文を書いてみた!『アップステージ』課題図書
僕は今年大学を卒業した新卒社会人なのだが、ある日「もしも今、自分が課題図書で読書感想文を書いたらどうなるのか」という疑問を持った。もしも新卒社会人が読書感想文を書いたらどうなるのか、いざ筆を取ってみると筆が進む進む!むしろ感想文の内容をコンパクトにまとめるのに苦労した。新卒社会人が羽目を外して、読書感想文ではっちゃけましたみたいな、あーこういう人もいるんだなみたいな、軽いノリで読んで欲しいです。もちろん、読書感想文なんて人生で一度も書いたことないよ!と、そこで頭を抱えている中学生の学徒たちに、僕の感想文が少しは役立って欲しいと思っている。じゃあ、ちょっと恥ずかしいけれど、新卒社会人がのほほんと考えなしにさらさらと書き上げた読書感想文を読んで欲しい。
タイトル『アップステージ』
著者 ダイアナ・ハーモン・アッシャー
訳者 武富博子
〈あらすじ〉
シーラは目立つことが大きらいな女の子。学校で「ザ・ミュージック・マン」のミュージカルに取り組むことになり、みんなその話題でもちきりだ。実はシーラは歌がうまい。先生や親友に強くすすめられてオーディションを受け、カルテットのひとりに選ばれる。練習を重ねるうち、シーラはこのミュージカルを心から愛するようになる。さまざまなトラブルや淡い恋の芽生えのなか、とうとう幕を開ける日がやってきて……というユーモアいっぱいの物語。
ーアマゾンより引用
〈読書感想文〉
設定
性別:男
学年:中学2年生
部活:帰宅部
課題図書『アップステージ』を手に取った理由はいくつかあるが、一番の理由は表紙がカラフルでいちばん読みやすそうだったからだ。読書といえば教科書の文章くらいしか読んでこなかった自分でも、楽しく読めるんじゃないかなというかすかな希望を胸にえがき、本屋さんで平積みにされていたこの本をそっと手に取る。本屋さんの中でも特に目立つスペースに置かれていた単行本。手に取ってみるとずしっと重い紙の重さを感じとり、この本が教科書よりも重いというい当たり前の事実に驚いた。これからこれを読むのかあと、あきらめにも似たやるせなさに、本屋の片隅でこの本を見つめながら茫然とため息をついたのを覚えている。これから42.195kmを自力で走りなさいと言われたレベルで重い腰があがらない。でも中学校の課題図書で読書感想文を書かなくてはいけないのだからしょうがない。家に帰ってふてぶてしく課題図書を読むことにする。
この本を読み終わるのに5日間の日数を要した。僕たち中学二年生の夏休みは多忙を極めるのだ。この本を拝読なさる大人になってしまった先生方には、僕たちの抱える不条理極まりないこのやるせなさなんて、わかるまい。てか、わかってたまるか!僕たち中学生は、100人のプレイヤーが最後の一人になるまで争うバトルロワイアルゲーム『フォートナイト』で武器の練度をあげるべく日夜研究し、大型モンスターの狩りを楽しめるハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』では友達のドロップアイテム集めにも快く手伝うという社交辞令にも付き合わなければならない。夜になれば、たまりにたまったネットフリックスのアニメたちを、家族の不平不満を背中に受けつつ、一気読みしなければいけないのだ。たった一冊の本を読むのに、青春真っただ中にある中学二年生の限りなく貴重な5日間を、この本を読むことだけに使ったのだ。もっと僕のことを褒めてほしい。ちなみに、友達の田中に課題図書を読むのにどのくらい時間がかかったか聞いてみたら、「え?あんなの2日もあれば読み切れるよ」とさらっりと言われ、愕然とした。
5日間を要してこの物語を読んだ。中学生の少女が学校の劇団に選ばれ、内気でシャイなのだけれど、前向きに演劇に打ち込む。そんな健気な少女の姿がこの物語で描かれていた。でも、僕は読書感想文で何を書けばいいのかなんて、さっぱりわからない。この本を読んで僕の身にどんなことが起こったかをつれづれなるまま、のべつまくなしに語ろうと思う。
誰もが洗面所の鏡の前で歯磨きをするのだと思う。僕も例に漏れずありきたりな中学生なので、この日の朝は洗面所の鏡の前で歯磨きをシャカシャカした。何を思ったのかその時、鏡の前で笑顔の練習をしてみようと思い立った。歯磨きを加えたまんま口角をあげ、にーと笑ってみる。そのままその笑顔を維持。普段使わない顔の筋肉がぴくぴく痙攣しているのを感じた。ためしに「おはよう」と鏡の自分に声をかけてみる。静かな洗面台で自分の声だけが響いた。髪の毛をかきあげながらけだるげに「おはよう」。あれ?ちょっとカッコよくないか、今の自分。じゃあ、次は伏し目がちにおずおずと「おはよう」。ふーん、これはこれでカワイイじゃん。ちょっと面白くなって、意味もなく鏡の前でかっこつけてセリフを連呼する。鏡に映っている自分は自分なんだけど、自分じゃない。ドアをパタンと閉めてまた別のドアをガチャっと開けるみたいに、知らない自分の一面が見えてくる。あ、”演じる”ってこういうことなのかなと、何種類もの「おはよう」を通じて、なんとなく納得する。ああ、今日は朝から気分がいい。意気揚々眺めのセリフに挑戦しようと息巻いた時、歯磨き粉の混じったよだれがたらりと垂れて母に怒られた。よだれを拭くついでに洗面所の掃除もさせられた。運命の女神に調子に乗るなバカと、頭を子図かれたような気がして、その日の朝は気分が盛り下がった。
時間はかかるは怒られるはで、本を読んでもろくなことが起こらない。でも本を読んで、感化されて、素直に行動に移す自分はなんだか愛らしいなあと思う。いい本とは、読んだ後に自分の行動に変化が生じるような本だと、どこかのユーチューバーが言っていた。そういう意味で言うと、この本を読んで限りなく誤差に近い範囲であるが読後、普段とは違う行動をとった時点で、『アップステージ』という物語は僕にとって良書だったということなのかもしれない。
『ハリーポッターと賢者の石』 J・K・ローリング - 読了日記
〈ひとこと〉
僕は数多くの本を読んできましたが、『ハリーポッター』シリーズはその中ですごく思い入れのある本です。
なぜなら読書といえば教科書に載っている文章しか読んでこなかった読書嫌いな僕が、初めて読んでみようかなと思ったのが『ハリーポッター』シリーズだったのです。
「むさぼるように読む」とはこのことかというくらい、昼夜とわず『ハリーポッター』シリーズを読み明かしましたね。
賢者の石から死の秘宝まで、単行本で10冊くらいあるのですが、5周くらい読み直しました。
すごいな、この時の自分、ほんと。
そして母はというと、突然読書に目覚めた息子に、
胸打たれ感動、当時新しくできたUSJのハリーポッターエリアにいち早く連れて僕を行ってくれました。
中学2年生のときの話です。
そして時は巡り現在…。
としまえんでハリーポッターの世界観を体験できる施設『ワーナーブラザーズスタジオツアー』が6月にオープンしたのは記憶に新しいですね。
ちょうど朝のニュースでとしまえんのハリーポッターのスタジオツアーを特集していたんです。
ニュースを見ながら母が「としまえんにハリーポッターの施設がオープンしたんだってね。いつ行く?8月は夏休みで混んでそうだから、9月ごろに行ってみる?」と僕に言ってきたんです。
僕が『ハリーポッター』シリーズを読み明かしたのは中学生のとき。
もちろん時間も経ち、いろいろ忘れていることも多いい。
「あーいいよ。でも、としまえんのハリポタを最大限に楽しみたいから、『ハリーポッター』読み直すことにするわ。だから読み終わるまで待っててくんね?」
せめて9月までに『アズカバンの囚人』くらいまでは読み終わりたい僕でしでした。
〈グループ〉
〈楽天ブックス〉
『私の少年』 高野ひと深-読書日記
タイトル『私の少年』
著者 高野ひと深
〈あらすじ〉
30歳のOLと12歳の小学生が出会い、求めあい、すがり合う。
いつしか二人は互いにとって大切な存在へ。
それは恋か、それとも孤悲か。
〈ひとこと〉
不登校の高校生が学校の国語教師に恋をする物語で、「愛”よりも昔、“孤悲”のものがたり」というキャッチコピーがなんとも素敵。
"恋"を"孤悲" と表記するところ深みがあっていい。
まあ、そーゆー、なんだろう、僕は儚い恋物語というものが好きなんだ。
特に"してはいけない恋"というのに弱い。
以前読んだ恋愛漫画も女子大生が非道のヤクザに恋をする『潜熱』だったり、女子高校生がバイト先のアラサー店長に恋をする『恋は雨上がりのように』だったり、普通ならありえない恋物語ばっかだ。
で、今回の『私の少年』もこんな"してはいけない恋物語"だった。
一巻でヒロインの女性が12歳の男の子に出会うんだけど、まだその時は二人に恋愛感情なんてなかった。
女性の方はかわいそうな男の子がいるな、この子を守らないとなという庇護欲、母親をなくした男の子の方は母を慕う純粋無垢な甘えを、代わりに目の前に現れた女性に抱いた。
でも、少年が中学生、高校生と成長していくにつれ、互いに抱く感情は恋心へと変化してゆく。
二人の恋は側から見れば、「大人が子供をたぶらかした」としか見えない、してはいけない恋だった。
鏡に映った自分の姿のように、もう二人は離れられない。
あー、やっぱり好きだなこういう渇きに似た溺れるような悲しくて寂しい恋物語。
〈グループ〉
『スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである』岩田松雄・高野登-読書
タイトル
『スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである』
著者
岩田松雄
高野登
〈内容〉
元スターバックスコーヒージャパンCEOと元リッツ・カールトン日本支社社長の接客業ニ大トップのリーダーが語る、働くこととは何かホスピタリティとは何かを突き詰める対談。
〈ひとこと〉
今年の3月に大学を卒業、4月に入社。
入社した会社は、外食産業の会社。
そしてまず店長候補として寿司業態の店舗に配属されました。
で、配属されて3ヶ月、店長に「君は言われたことをこなすだけで、お客様に対するホスピタリティがないね」と仕事終わりに言われました。
ホスピタリティってなんだ?
そう思って手にした本がこの本。
この本を読んでわかったことは「ホスピタリティ」とは、従業員の心の内側から溢れ出る人を思う心のようなものだということがわかった。
知ってます?
みんな仕事をやめない。
なぜなら仕事が面白いから。
それはどういうことか。
スターバックスで働いている人みんながみんな、仕事が楽しいと思っているのです。
スターバックスで働くことじたいが報酬みたいなの感じなのです。
その本を読んでみた感じ、お店の従業員満足度が高いと、お客様に対するホスピタリティも高くなるようです。
たぶん、理屈はこんな感じ。
従業員が楽しく仕事ができると、従業員の心に余裕が生まれる。
従業員に心の余裕ができると、従業員の視野が広がり、お客様に対して気の利いた接客ができるようになる。
そうなるとお客様の満足度が上がる。
お客様の満足度が上がると、売り上げが上がる。
売り上げが上がると、従業員の給料が上がる。
給料が上がると、従業員のモチベーションが上がる。
従業員のモチベーションが上がると、接客のレベルが上がる。
好循環!
スターバックスのカフェって居心地がいいですよね。
スターバックスでコーヒーを飲むあの心地よい空間の秘密が、
少しわかったような気がします。
じゃあ、ウチの店の従業員満足度を上げるにはどうしたら良いか。
なにか自分にできることはあるのでしょうか。
お店のために何ができるのか考える、今日この頃。
〈グループ〉
〈楽天ブックス〉
『君と1回目の恋』 大島里美-読書日記
タイトル『君と1回目の恋』
著者 大島里美
〈あらすじ〉
時を巻き戻す不思議なレコードを手にした、
時を駆け巡り何度も彼女に恋をした一人のギターリストの物語。
映画『君と100回目の恋』のサイドストーリー。
〈ひとこと〉
以前、漫画版の『君と100回目の恋』を読んだことがある。
1ヶ月くらい前の話だ。
死の運命にあるヒロインを主人公の男の子が、時を巻き戻す不思議なレコードを使って、何度も時を巻き戻し、どうにか助けようとする恋物語だった。
一人の女性を心から愛し、自分の時間を犠牲にして、いっさいがっさい全てを彼女に捧げた、彼の一途な恋に読んでいてキュンとした。
読了後、漫画を閉じてふうと、熱い吐息を吐き出したのを覚えている。
淹れたてのコーヒーがゆらゆらと、白い湯気を立ち上らせていた。
そして時は流れ現在。
ブックオフの100円コーナーで『君と1回目の恋』という本を発見。
裏のあらすじには、以前読んだマンガ『君と100回目の恋』のスピンオフ作品だとある。
「なんども時を巻き戻しても、僕は君に恋をする」みたいな、積もり積もった一途で純粋な恋物語に弱い僕は、迷わずこの本を購入。
このスピンオフの物語も、前作『君と100回目の恋』同様、主人公が何度も過去をやり直し、一人の女性を愛し尽くす物語だった。
『君と100回目の恋』、スピンオフ『君と1回目の恋』の作品を読んで、自分の人生を他人のために使う人生っていいなあと思う。
自分の人生が大好きな人の色で染まってゆく人生。
自分のことなんてどうでもいいから、
好きな人が幸せに暮らせるよう頑張る人生。
そーゆー、君になら自分の人生を捧げてもいい、そう思えるような運命の相手に僕も出会えるだろうか。
…。
出会えるといいな。
恋に恋する今日この頃。
〈グループ〉
〈楽天ブックス〉
『幻燈』-読書日記
タイトル『幻燈』
〈内容〉
人気バンド"ヨルシカ"がリリースした、イラストを読み込んで音楽を聴く、新しいタイプの音楽アルバム
〈ひとこと〉
僕の読書仲間にニーナというインスタのフォロワーさんがいる。
彼女はギターでヨルシカさんの楽曲をギターを片手に歌ってしまうほど、ヨルシカさんの大ファン。
そんな彼女がインスタで紹介していたのが、ヨルシカさんのアルバム『幻冬』。
そのときの僕はというとヨルシカさんのファンになって約1ヶ月。
(ちなみにニーナさんの弾き語りを聞いてヨルシカさんを知った)
知っている曲は『花に亡霊』『アルジャーノン』『都落ち』の3曲。
話を聞くにヨルシカさんの『幻冬』はイラスト集のようなもので、その画集のイラストをスマホで読み取るとヨルシカさんの楽曲が聴けるらしい。
へえ、気になる。
調べてみると新品で一万円、
中古でも八千円するらしい。
ファン歴1ヶ月の当時の僕にはハードルがすこぶる高い。
買うかどうかひじょーに悩ましいところである。
というわけで80kmランニングしたらヨルシカさんの『幻冬』を買おうと思ったのである。
(あれ?話が飛んだな〈笑〉)
どうしてヨルシカさんの『幻冬』を買うのに、僕が80kmもランニングをすることになったのか、
理由を説明してしんぜよう。
まずその商品が欲しいと思ったら、3日後に買うといいって僕は聞いたことがある。
3日後に改めてその商品を買おうとその店に立ち寄ると、「あれ、なんでこれを請おうと思ったんだっけ?」みたいな感じになって、その場のノリで散財するのを防ぐことができるとかなんちゃらのあれ。
僕もその時は時間を置いてから考えようと思っていた。
だって一万円って高いもん。
で話は変わるんだけど
今年、新入社員として会社勤めするようになって、趣味のランニングにサボり癖ができてしまうのに悩んでいた。
週5で10時間(2時間休憩)働くようになって、ランニングに時間を割く心の余裕がなくなってしまったのだ。
なんかご褒美があればランニングも楽しく続けられるのになあ。
会社帰り疲れた体でぼんやりと考える。
ん?
ちょっと待てよ。
ご褒美?
確かヨルシカさんの『幻冬』は一万円、中古で八千円だったな。
それご褒美に使えるんじゃね?
そーだなー、
一日おきに5km走ったとして、5km×15日間、総計75km。
約80km。
1km走ったら100円分の好きに使える貯金が増えるルールを適用すると、1日おきに5kmのランニングで
中古の『幻冬』ならが変える計算になる!
そして、走れない距離じゃない。
でも、一人で挑戦すると絶対挫折するな。
だってファン歴1ヶ月だし。
というわけでインスタのストーリーで、大々的に80kmランニングする宣言を投稿。
そして走った距離をインスタのストーリーで、ちくいちインスタのフォロワーさんに報告。
逃げ道がなくなってしまった。
そんな深謀遠慮があって、仕事の合間を縫って80kmのランニングに挑戦することになったのである。
そしてついさっきのインスタでヨルシカさんの『幻冬』を投稿。
僕のインスタでヨルシカさんの『幻冬』が投稿されているということは、つまり、そういうことなのだよ。
やり切りました!
〈雑筆〉
新卒で入社した会社の研修で僕が80kmのランニングをしている話が話題になった。
どうやらインスタのストーリーにランニングで走ったの距離を投稿していたことから、同期の間にその事実が広まったらしい。
その同期の中の一人の女性が僕に興味津々と言った感じで質問してきた。
「なんで走ってるの?」
直球ど真ん中ストレートな質問。
「え、実はね、かくかくしかじか」
僕は説明する。
ヨルシカさんの『幻冬』が欲しくてうんぬん、でも一冊一万円でファン歴1ヶ月の僕には敷居が高いくてうんぬん、日課のランニングが疎かになっていて困っているうんぬん、ランニングのご褒美として『幻冬』を買うことに決めたうんぬん。
まあ、20分くらい説明したかな。
僕の説明を聞いた女の子はキョトン。
「私たち働いてるんだから、給料で買えばよくない?」
ごもっとも。
いやでも、「あ、これいいな、ポチっちゃお」って感じで買った『幻冬』と、ぜぇぜぇはあはあ、気息奄々の末に手にした「幻冬」は違うんだって。
重みが。
たった8,000円のために1ヶ月走り続けた僕は、
おかしいのだろうか?
ちょっと周りとは感覚のずれがあるのではないかと気づいた今日この頃。
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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』-読書日記
タイトル
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』
著者
〈あらすじ〉
弱小高校野球部がやる気あふれる女子マネージャーと共に甲子園を目指す物語。
シリーズ第二弾!
〈ひとこと〉
前回シリーズ第一弾の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を読んで、すごいためになった。
ちまたではこのシリーズを『もしドラ』と略して呼称しているので、以降は僕もこの物語を『もしドラ』と呼ばせてもらう。
前回のシリーズではヒロインの愛読書はドラッカーの『マネジメント』だったが、今回のヒロインの愛読書はドラッカーの『イノベーションと企業家精神』だった。
前回同様おなじような内容の物語なのかなと思って本書を手に取ってみたら、全然違った。
じゃあ、どの点が違ったのか。
前回の作品は「活気があって生産的な集団の作り方」を物語の主軸にしていたのに対し、今回の作品は「新しく始める事業を成功させるやり方」というようなものを物語の主軸にしているように僕は感じた。
新しく何かに挑戦する能力は今後、社会で生き残る上で欠かせない能力になるだろうとドラッカーは断言している。
それはなぜか。
それは「新しい市場」にはライバルがいないからだ。
もうすでに出来上がっている市場で商売をするとなると、ライバル企業がわんさか市場に溢れていて、
売り上げを伸ばすのが非常に大変。
でも「誰もやったことのない」分野で市場を作ってしまえば、ライバル企業なんて存在しない。
新しい市場を作り出すことで、自分たちにとって都合のいい、独占的な環境を作り出せるというわけ。
新しい何かに挑戦すること、新しい市場を作り出すこと、それをドラッカーは「イノベーション」と呼んだ。
イノベーションとは、誰も見たこともない聞いたこともない思いつきもしない事柄に挑戦し、あまつさえその挑戦を成功させるという、とんでもなく難しい道のりを要求する。
この物語にはイノベーションに挑戦するための「コツ」が書いてあると思って欲しい。
新しい何かを始めるにはまず好奇心が大切だ。
「◯◯がやってみたい!」とか「◯◯をしてみたら面白そうだな」というアイデアは、イノベーションにおいてとても重要な発火の種だ。
大事にしないといけない。
そういう前のめりな姿勢を僕は「好奇心」という言葉で解釈した。
そして次に大切なことは、その好奇心を「すぐさま行動に移すこと」だ。
ドラッカーはそれを「小さく始める」という言葉で表している。
善は急げという言葉がある通り、何か新しいことに挑戦するには早ければ早いほうがいい。
そして規模が小さいことで、失敗して損をしてしまっても、被害を最小限に抑えることができる。
つまりトライ&エラーの繰り返しだ。
小さく何かを始める。
最近の趣味は小説投稿サイトでちょっとした短編を投稿すること。
まだ物語を書くのに慣れていないためか、一万字程度の短編を書くのに休日丸一日くらいかかる。
なので最近は300文字で物語を書いて、小説投稿サイトにアップしている。
300文字程度なら15〜20分ほどで書き上げることができるし、たとえ通勤電車の中でも、ちょっとしたすきま時間でサクッと物語を書くことができる。
最近、その物語に簡単なイラストなんかも添えたいなあと思っている。
どうやったら手軽にイラストが描けるだろうか。
小さく始める。
300字で物語を書く。
僕は知らず知らずのうちにドラッカーのいう「イノベーション」をしているのかもしれない。
〈グループ〉
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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海-読書日記
タイトル
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
著者
〈あらすじ〉
弱小高校野球部がやる気あふれる女子マネージャーと共に甲子園を目指す物語
〈ひとこと〉
この本を読んで自分の職場に色々な改善点があることに気づきました。
例えば組織のルール作り。
『もしドラ』では当初、メンバーにサボり癖がついてしまい、野球部のメンバーが練習に集まらない状況だったが、主人公が「メンバーがダラダラと過ごすのは、この状況に不満があるから」だと言って、
みんなが楽しんで打ち込める練習メニューの改良に力を入れていた。
僕の職場も今そんな感じ。
特にアルバイトさんのやる気のなさがひどい。
職場のアルバイトさんはただ作業をこなしているだけ。
職場の休憩室は物が散らかり汚い。
アルバイトさんからは「ここのバイトやめようかな」みたいな話をよく聞く。
『もしドラ』と状況が似通っている。
仕事に身が入らない、アルバイトさんが適当にダラダラと仕事をこなすこと、それはアルバイトさんからの「今この状況をなんとかしてくれよ」という暗黙の主張だ。
だから、職場のルールをつくってみようと思う。
僕は外国人アルバイトさんが約7割を占める飲食店に勤めている。
ちょっと特殊。
今まで接客のセリフを口頭で教えていたのを、文章に書き起こしてアルバイトさんに配布しようかな。
みんな我流の日本語で接客をするから、統一感がなくてバラバラ。
だから接客のルールを決めよう。
マニュアルを作ろう。
店長も主任もそーゆーところには無頓着だから、新米社員の僕がやるしかないんだよなあ。
ルールを作れば、職場内のおざなりな「みだれ」は改善されるだろうし、風通しも良くなるだろうと思う。
で、アルバイトさんの「やる気のなさ」はどうしようか。
『もしドラ』では練習に来ないようなやる気のない部員でも、大会や練習試合には顔を出すことから、今までのマンネリ化した練習をやめ、チーム制にしてメンバー同士で競わせるような練習メニューに変更していた。
練習で互いを競わせることで大会のように明確な勝敗生まれる。
それによって部員にはりがでて練習のモチベーションが爆上がりしたのだ。
じゃあ、僕の職場では何をどうしようか。
アルバイトさんたちを競わせるような、殺伐とした職場は嫌なんだよな。
でも確固たる「結果」がないと達成感に結びつかない。
どーしたものか。
…。
「褒め合う文化を職場内に定着させる」というのはどうだろうか。
「褒められる」ということは「誰かに褒められるほど素晴らしい結果を残した」ということ。
だからちょっとしたことでも、気兼ねなく「いいね」とか「頑張ったね」とか言えるような職場にしたい。
でも皆んなにそれを強いるのは良くない。
だって一番したっぱのペーペーが急にあれこれ現場で指示をたす勇気なんて、これっぽっちもないのだし。
まずは自分一人で「人を褒める」ことを意識してやろう。
一人が変わればみんなも変わる。
ちょっとそーゆーことを実践してみようかなと前向きになった今日この頃。
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『若者わからん!』 原田曜平-読書日記
タイトル『若者わからん!』
著者 原田曜平
〈内容〉
入社してその日に会社を辞める昨今の若者を理解せよ!
〈ひとこと〉
この本をなぜ手に取ったかというと、今年の4月に入社した会社の上司との摩擦が激しいと感じたからだ。
上司に対するリスペクトがなっていないと怒られたし、仕事に対する意欲が感じられないとぼやかれた。
同僚との付き合いも悪いとも。
だから上司の目から新入社員はどう見えているのだろうと疑問に思った。
2000年生まれの僕は世の中では「ミレニアル世代」と呼ばれているようだ。
「さとり世代」や「Z世代」とも呼ばれているらしい。
この本曰くミレニアル世代の特徴は3つ。
一つ目は会社の都合よりも自分の都合を優先させたい、自分勝手わがまま思考が染み付いていること。
僕は怒られた経験なんてほとんどない。
学校では罰則なんてなかったし、罰則として廊下で立たされるとか部活で水を飲むななんて言われたら、それを行った先生が処罰の対象になる。
だから必然的に大人は僕たちのことを腫れ物に触るように可愛がって育てた。
蝶よ花よと可愛がられて何不自由なく育った僕らは、マイペースでわがままなちいさな「皇帝」のような若者に育ってしまった。
やりたくないものは本当にやりたくない。
自分の興味のあることしかやりたくない。
だから入社した会社がイメージと違ったらすぐにその会社を辞める。
会社なんて知ったことか。
それがミレニアル世代の考え方。
二つ目は上昇志向がないこと。
経済が低迷している社会で子供時代を送ったミレニアム世代は、働いても働いても給料の上がらない親の姿を見ている。
だからても報われないじゃん?ていう諦め思考が定着している。
しかも高度経済成長が終わってある程度日本が豊かになったから、今の生活にまあまあ満足している。
現状維持で良くね?給料の分だけそこそこ働けば良くね?みたいなチルってる考えが普及した。
現状にまあまあ満足しているから、頑張って上を目指すみたいな努力思考は僕らミレニアル世代には存在しないのだ。
三つ目は上司への敬意がないこと。
敬意がないというより、誰に対してもフレンドリーといったほうが正しいかもしれない。
ミレニアル世代の若者は学校で先生にタメ口で授業を受けていた世代。
学校の先生にタメ口で話しかけても咎められることはなかった。
生徒との距離が縮まってクラスの雰囲気も良くなるため、それが推奨されてすらいた。
あ、もちろん学校ではひと学年上の先輩にも僕はタメ口で話しかけていたよ
当たり前じゃん?
だからその流れで会社の上司にもミレニアル世代はフレンドリーに話しかけてしまうのだ。
その距離の近さが上司たちの目から、礼儀がなってないと見えてしまう。
まあ、そんなこんなで、自分勝手でやる気があまりなくて目上の人にも馴れ馴れしく接してしまう、そんなグダグダダラダラしているのが僕らミレニアル世代。
お分かり?
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