コトノハライブラリー

本好き新卒社会人の読書記録用アカウント

読書日記『教科書に出てくる音楽家の伝記』

タイトル #教科書にでてくる音楽家の伝記
監修   #ひのまどか

f:id:KotonohaLibrary:20221016172848j:image

〈あらすじ〉
ベートーベン、モーツァルト、バッハなど教科書でも紹介される音楽家の子ども時代の様子から音楽科としてどのように大成していったのかを時代を追って紹介していきます。
1場面に1点の挿絵を添え、それぞれの人物像がよりイメージしやすい構成になっています。
ーアマゾンより引用

 

〈ひとこと〉
人それぞれ、お気に入りの音楽家がいると思う。
僕はメシアンっていう、フランスの作曲家さんがお気に入りなんだけど、彼のストーリーがこの本に載っていなくて、軽くショックを受けた。
メシアンってあまり知られていない作曲家さんだけど、なんと第ニ次世界大戦に兵士として参加し、ナチスの収容所にぶち込まれるという、異色の経歴の持ち主。
もうこの時点で他の音楽家と一線を逸する何かを感じてならない。
収容所でメシアンが作曲した、チェロ、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノからなる『世の終わりのための四重奏』が僕は好き。
なぜチェロ、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノなのかというと、メシアンが拘置された収容所にチェロ奏者とヴァイオリン奏者、クラリネット奏者の3人音楽家がちょうど居合わせたかららしい(メシアン本人はピアノ)。
道具もろくに揃わず、楽器の状態もよくないという決して満足のいく環境でもないなか、メシアンは人の心を励ます素晴らしい曲を書き上げた。
それは暗闇の中を照らすランタンのように、メシアンの心の声を代弁する。
メシアンが書き上げた『世の終わりのための四重奏』は彼が拘置された収容所で初演された。
物寂しい悲哀にまみれた収容所でメシアンたちの奏でる音楽は、雲間から光が差すように捕虜となった兵の心を優しく照らし出したという。

どうだろう、僕のお気に入りの音楽家さんの素晴らしさ、少しは伝わっただろうか。