『魔術監獄のマリアンヌ』 松本剛-読書日記
タイトル『魔術監獄のマリアンヌ』
著者 松本剛
イラスト パセリ
〈あらすじ〉
これは“魔術”が忌避され、呪いとされる時代の出来事――。
魔術師たちの監獄である『ヴァッセルヘルム大監獄』に着任した若き刑法官マリアンヌへ、国から衝撃の厳命が下った。
それは数年前、魔術師たちの反乱を扇動して捕らえられた男ギルロアとともに、未だ逃亡を続ける反乱の首謀者レメディオスを捕縛せよというものだった。
反乱軍と王国軍の戦いで故郷と両親を失ったマリアンヌと、反乱軍の魔術師にして大犯罪者であるギルロア。
水と油の二人は、口論を重ねながらも旅を続ける。
その最中、マリアンヌはかつての魔術師たちの反乱に隠された“真実”に少しずつ近づいていき――。
ーアマゾンより引用
〈ひとこと〉
実は僕はライトノベル作家、松山剛さんのファン。
彼の作品は『雨の日のアイリス』や『白銀のソードブレーカー』、『聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている』を読んだことがある。
そしてこの物語が僕が読む4冊目の彼の物語。
物語の主人公は魔術監獄で働く若き少女マリアンヌ。
反乱軍の残党首領レメディオスを捕縛するため、彼女はかつて反乱を首謀した罪で投獄されているギルロアと共に旅に出る。
ギルロアはマリアンヌにとって国を揺るがした凶悪犯罪者。
最初はギルロアに対して嫌悪感を隠さない彼女だが、彼女は共に旅をするうちに重い過去を抱えたギルロアに好感を抱くようになる。
え、もしかして彼、悪い人じゃない?的な感じで。
僕はファンタジーを読むと、悪役に感情移入することが多い。
悪役っていうのは周りに嫌われてでも、周りに嫌われてでも自分の意思を貫く稀有壮大な人物が多いからだと思う。
悪役には悪役の理想があって、そして心の中に確固たる芯があって、その揺るぎなさに僕は心惹かれるのだ。
そしてこの物語はその悪役が物語の序盤から主人公の隣に居座る。
悪役の彼をちょっとずつ理解していくうちに、果たして「悪」ってなんだろうって、ぼんやりと思ってしまう。
だってギルロアは、法を犯した罪人だけど弱きものを救う正義の心を持っている。
面白い物語って素晴らしい悪役がいてこそ、成り立つものなのかな。
そう思った今日この頃。
〈グループ〉
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