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読書日記『終焉ノ花嫁2』綾里けいし

タイトル 終焉ノ花嫁 2
著者   綾里けいし
イラスト 村カルキ

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〈あらすじ〉
人類の敵【キヘイ】が世界を蹂躙して幾年。
魔導学園・黄昏院を設立し、人々はその脅威に抗戦を続けていた。
キヘイと婚姻し、【百鬼夜行】に転科・入隊したカグロコウは、一万五千回の試算の上にキヘイの大進行【逢魔ヶ時】を越える。
束の間の日常を謳歌するコウたちの前に――予想だにせぬ転科生が現れる。
時を同じくして【逢魔ヶ時】打破記念の祝祭が行われ、コウたちも出し物をすることに。
だが、祭りの最中、唐突にコウが殺される。
何度も何度も。
何度繰り返しても――。
さらには【戦闘科】最強の学徒で構成された【傀儡衆】の少女に襲撃されてしまい……?

〈ひとこと〉
綾里けいしの『終焉の花嫁』を初めて読んだ時は衝撃をうけた。
僕はいつも本を読む時は次の展開を予想しながら読み進めるのだが、この物語はまったくもってストーリーの展開が読めなかったからだ。
こういう本に出会うとやっぱり嬉しく思うが、同時に心がふっと冷えるような言いようのない恐怖の念を抱く。
この本の作者は僕の性質を全て知っていて、「こう書けばコイツはこう喜ぶな」とか「こう書けばコイツはこう驚くな」とか全て把握した上でこの著者は物語を書いているのではないかと本気で思う。
僕が本を読んでいるはずなのに、いつしか本の側が僕の内面を覗き見ているような錯覚。
読んでいて肌寒さを覚える。
"深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ"という有名な言葉が脳裏をよぎった今日この頃。