読書日記『きみは雪をみることができない』人間六度
タイトル きみは雪をみることができない
著者 人間六度
イラスト 岩倉しおり
雪の中で春を待つ小さな花のような健気で儚い恋の物語。
〈あらすじ〉
ある夏の夜、文学部一年の埋夏樹は、芸術学部に通う岩戸優紀と出会い恋に落ちる。
いくつもの夜を共にする二人。
だが彼女は「きみには幸せになってほしい。早くかわいい彼女ができるといいなぁ」と言い残し彼の前から姿を消す。
もう一度会いたくて何とかして優紀の実家を訪れるが、そこで彼女が「冬眠する病」に冒されていることを知り――。
現代版「眠り姫」が投げかける、人と違うことによる生き難さと、大切な人に会えない切なさ。
冬を無くした彼女の秘密と恋の奇跡を描く感動作。
ーアマゾンより引用
〈ひとこと〉
冬の間は長い眠りについてしまう"普通じゃない"大人の女性に恋をしてしまう大学生の物語。
彼女の冬眠を待つ間、早く冬が過ぎ去っていきますようにと切に願う主人公の姿に、ただただ胸が締め付けられます。
物語の最後が素晴らしかった。
素晴らしいストーリーに、予想だにしない結末。
この物語を書いた人は天才かと、掛け値なしで感嘆しました。
誰がこんな素晴らしい物語を書ける?
いや、書けない。
僕は息をするのも忘れて本のページを捲り、うっすらと涙を浮かべてこの本を読み終えました。