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『負けないパティシエガール』 ジョーンバウアー-読書日記

タイトル 『負けないパティシエガール』

著者    ジョーンバウアー


パティシエになりたいという夢をもった少女の成長物語。

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〈あらすじ〉

お菓子作りの大好きなフォスターは、毎日必ずケーキを焼くことにしています。

なぜって、そうすれば、いつでもどこでもおいしいものが食べられるから。

ある日、ママとといっしょに家を出て、新しい生活を送ることになります。フォスターを待ち受けているのは…?

ーアマゾンより引用


〈ひとこと〉

一月の終盤に図書館で見つけた一冊。

それは2月14日のバレンタインになんの本を投稿するか迷っていた僕にとって、奇跡的な出会いだったと思う。

本の表紙には色とりどりのカラフルなカップケーキ。

バレンタインは想いを込めてお菓子を手づくりする季節。

バレンタインにはぴったりの本だ。

バレンタインの日には、この本を投稿することを一目見た瞬間に決心した。

この物語の主人公はパティシエを志す小学6年生の女の子。

彼女は料理をするのが大好き。

特にレパートリーが豊富なカップケーキを自作することが得意だ。

お菓子を作ることが得意な彼女ですが一つだけ、人には言えないコンプレックスがあった。

それは彼女が「文字が書けない、読めない」ということ。

いわゆるLD(学習障害)と言われるものだ。

彼女は字を書くことも読むこともできないので、料理のレシピ本は読みたくても読めない。

彼女は料理のレシピを自慢の記憶力を頼りに全て暗記した。

どんなに努力しても文字が読めない彼女は、学校では学校の笑の的だった。

彼女がどんなに読み書きの練習を積み重ねても、周りからは無能と揶揄され、自身の努力を理解されない彼女が僕の目からは哀しく写った。

なんか、この物語は宇佐美りんさんの『推し燃ゆ』と雰囲気が似ているなと思う。

推し燃ゆの主人公も発達障害(もしくは学習障害)を抱えていて、人が簡単にこなしていることも、その主人公は何十倍も努力しないとできなかった。

何もかもがうまくできずグループの中では劣等感や疎外感に悩まされていた主人公だが、圧倒的スターの推しになることで、主人公は社会に溶け込むことができた。

一方、『負けないパティシエガール』の主人公は読み書きができず、なかなか自分の思いを理解されないせいで、いつも孤独感を抱いていた。

彼女はカップケーキを作ることで周りの人間と繋がりを持てた。

彼女はそれで自由に息ができたのである。

どちらの主人公もみんなが容易くできることが、かなりの努力をしないとこなすことができない。

そういう彼女らは何かに依存することでしか、人との繋がりを得ることができないようだ。

一人は推しを崇拝し、一人はカップケーキを作ったように。

この物語は読み書きのできない少女がカップケーキを通じて、苦手を克服し人との繋がりを広げていくお話だ。

もし、宇佐美りんさんの『推し燃ゆ』が好きなら、この本も読んでみてほしい。

きっと気にいるから。

 

〈グループ〉

 

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