〈読書日記〉『優しい死神は君のための嘘をつく』望月くらげ
タイトル 優しい死神は君のための嘘をつく
著者 望月くらげ
〈あらすじ〉
「はじめまして、僕は死神です。君の魂をもらいに来ました」
病室で目を覚ました真尋は、ある日突然目の前に現れた死神から三十日以内に自分の命が尽きることを告げられる。
今まで入退院を繰り返しずっとひとりぼっちかだった彼女にとって、死ぬことは何も怖くない…はずだった。
しかし、不器用だけど優しい死神と日々言葉を交わすうちに、どんどん彼に惹かれている自分に気づく。
もっと生きたい。
けれど、無情にも運命の日は訪れてしまう。
そんな真尋に、死神は今までついていた「嘘」を告白し始めるー
ー本書より引用
〈感想〉
パステルカラーの表紙に惹かれて手に取りました。
よくよく調べてみると、余命わずかの少女と彼女の命をとりにきた死神の禁断の恋を描いた物語っぽいです。
え〜、気になる〜。
命短い少女の恋物語とか、私の大好物じゃん。
だから読んでみました。
私の好きなシーンは、自暴自棄になっていた少女が、死神さんと出会って、前向きに生きていこうと彼女の心が変化し始めたあたりの、2人の何気ない会話。
少女は死神さんとお話しするのを、毎日いまかいまかと待ち続けるようになります。
彼女は死神さんと過ごすうちに、死神さんのことを思うだけで胸がギュッとなって、甘い痛みがじわりと心に広がります。
そんな折、少女は死神さんに訪ねます。
「死神さんの好きなものは?」と。
その時の二人の会話が、暖炉の優しくはぜる炎のように、どこか心に染みるのですよ。
『「好きなもの…」
「あ、あの、答えられなければ別に…」
「ああ、でも。君と過ごすこの時間は、嫌いじゃない」
「っ…」
どうして、そんなことを言うのだろう。
ードクンドクンと、心臓が音を立てる。
こんな気持ちにさせないでほしい。』
ー本書より引用
ああ、もう、こんなセリフ言ってみたい。
死神さんみたいに爽やかに、なにげなく。