『Re:ゼロから始める異世界生活(1巻〜3巻)』 長月達平-読書日記
タイトル『Re:ゼロから始める異世界生活』
著者 長月達平
〈あらすじ〉
突如、異世界へ召喚された高校生ナツキスバル。異世界に召喚されたはいいが、異世界転生もののお約束である、特別な力に目覚めることもなければ、魔法なんて一切使えない。
おまけにチートスキルもない。
与えられた力は『死んだらセーブポイントに強制的復帰される』というもの。
これは非力な主人公が幾多の時間を行き来し、仲間を得て困難を乗り越えていく物語。
〈ひとこと〉
僕は本を読んでいる最中に、人から声をかけられることが嫌いだ。
本を読んでいる最中に、「ねえねえ、〇〇君(本名)何読んでるの?」と聞かれ、僕が「この本だよ」と読んでいる本を見せたら、話しかけてきた相手は「(あ、知らない本だ)」と困り顔で硬直し、会話が続かず居心地の悪いいやーな沈黙が場を支配する羽目に…。
という残念なシチュエーションが十中八九を超える確率で、身に降りかかることを経験から知っているからだ。
あの沈黙、ほんと苦手。
4月の前半に今年入社した会社の新人研修があった。
この研修期間中、僕は大城夕紀の『マレ・サカチのたったひとつの贈物』を読んでいたのだが、案の定、誰一人としてこの物語を知っている者はいなかった。
まあ、新人研修のあいだ、
僕が本を読んでいる最中に、初めて会う人たちから「何読んでるの?」と絶え間なく質問され、その地獄のような沈黙を経験したことは、想像に難くないだろう。
というわけで、新人研修の期間中、「何読んでるの?」対策として、みんなが知っている物語を読もうと決心した。
それが『Re:ゼロから始める異世界生活』だった。
通称『リゼロ』である。
研修の合間に『リゼロ』を何気なーく読んでみる。
「ねえ、〇〇君、何読んでるの?」
「ん?これだよ」
チラ。
『リゼロ』表紙を見せる。
「あー、『リゼロ』かあ。アニメで見たよ。〇〇君も興味あるの?」
さすがアニメ化された伝説のライトノベル 。
聞く人聞く人が百発百中で作品を知っていた。
あの地獄のような沈黙が嘘のよう。
まるで会話に花が咲いたように、話が広がる広がる。
そして友達の輪も広がる広がる。
入社したてで右も左もわからない僕だけれども、『リゼロ』のおかげで新入社員の同期との絆を、ガッチリと結ぶことができた。
『リゼロ』さまさまである。
『リゼロ』片手に、今期入社した同期と仲良くなった僕だったが、同期の社員と打ち解けあったころ、
「あー!『リゼロ』読んでるの?ストーリーが進むと××ちゃん(キャラクターの名前)死んじゃうからびっくりだよねー」
「ネタバレーーー!」
君の暴露にびっくりだよ!
思わず叫んでしまった。
みんなが知っている作品を読むことの弊害に気付いた今日この頃。