コトノハライブラリー

本好き新卒社会人の読書記録用アカウント

『Re:ゼロから始める異世界生活(1巻〜3巻)』 長月達平-読書日記

タイトル『Re:ゼロから始める異世界生活

著者   長月達平

 

f:id:KotonohaLibrary:20230422195140j:image


〈あらすじ〉

突如、異世界へ召喚された高校生ナツキスバル。異世界に召喚されたはいいが、異世界転生もののお約束である、特別な力に目覚めることもなければ、魔法なんて一切使えない。

おまけにチートスキルもない。

与えられた力は『死んだらセーブポイントに強制的復帰される』というもの。

これは非力な主人公が幾多の時間を行き来し、仲間を得て困難を乗り越えていく物語。


〈ひとこと〉


 僕は本を読んでいる最中に、人から声をかけられることが嫌いだ。

 本を読んでいる最中に、「ねえねえ、〇〇君(本名)何読んでるの?」と聞かれ、僕が「この本だよ」と読んでいる本を見せたら、話しかけてきた相手は「(あ、知らない本だ)」と困り顔で硬直し、会話が続かず居心地の悪いいやーな沈黙が場を支配する羽目に…。

 という残念なシチュエーションが十中八九を超える確率で、身に降りかかることを経験から知っているからだ。

 あの沈黙、ほんと苦手。

 4月の前半に今年入社した会社の新人研修があった。

 この研修期間中、僕は大城夕紀の『マレ・サカチのたったひとつの贈物』を読んでいたのだが、案の定、誰一人としてこの物語を知っている者はいなかった。

 まあ、新人研修のあいだ、

 僕が本を読んでいる最中に、初めて会う人たちから「何読んでるの?」と絶え間なく質問され、その地獄のような沈黙を経験したことは、想像に難くないだろう。

 というわけで、新人研修の期間中、「何読んでるの?」対策として、みんなが知っている物語を読もうと決心した。

 それが『Re:ゼロから始める異世界生活』だった。

 通称『リゼロ』である。

 研修の合間に『リゼロ』を何気なーく読んでみる。

「ねえ、〇〇君、何読んでるの?」

「ん?これだよ」

 チラ。

『リゼロ』表紙を見せる。

「あー、『リゼロ』かあ。アニメで見たよ。〇〇君も興味あるの?」

 さすがアニメ化された伝説のライトノベル

 聞く人聞く人が百発百中で作品を知っていた。

 あの地獄のような沈黙が嘘のよう。

 まるで会話に花が咲いたように、話が広がる広がる。

 そして友達の輪も広がる広がる。

 入社したてで右も左もわからない僕だけれども、『リゼロ』のおかげで新入社員の同期との絆を、ガッチリと結ぶことができた。

『リゼロ』さまさまである。

『リゼロ』片手に、今期入社した同期と仲良くなった僕だったが、同期の社員と打ち解けあったころ、

「あー!『リゼロ』読んでるの?ストーリーが進むと××ちゃん(キャラクターの名前)死んじゃうからびっくりだよねー」

「ネタバレーーー!」

 君の暴露にびっくりだよ!

 思わず叫んでしまった。

 みんなが知っている作品を読むことの弊害に気付いた今日この頃。